昨年11月、巨人は長年の「慣例」を平然と破った。
自由枠を使わず、高卒野手を一位指名。球界を騒然とさせた。
「僕のチームに絶対に必要な選手。今回はわがままを通したよ」
今年から復帰した原監督も期待と興奮を隠そうとしない。
167cm63kg。
野球選手としては小柄。それどころか、18歳男子の平均身長にも及ばない。
しかしその身体に収まりきらないほどの野球センスが詰まっている。
印象的だったのはドラフト当日、巨人一位指名の報を聞いた時の複雑そうな表情。
「四番がいい!」
簡潔なその思いが、今年も大砲を揃える巨人入りに抵抗を感じさせたのか。
「1番レフト」原監督が明かした。田島にとって高校時代は未経験のポジション。
「彼のセンスを考えると、内野に縛るのはもったいない」とのこと。
今は一塁を守る清水の、かつての定位置だ。
「フリーバッティングで、打つ瞬間何か言ってるんですよ。近くに行ったら、
『三遊間!』『ライト前!』って。打球がちゃんとその場所に飛ぶんです。
こいつ人間かと思いましたよ」
シーズン最多安打の球団記録を持つ男が、完全に脱帽した。
かつてのチームメイトのコメントも紹介しよう。
劇的なサヨナラホームランで創部2年の西浦高を甲子園へと導き、今春から 慶應大の一員となる花井は、「一年の時、初めての対外試合で、『オレは
どんな球でも打つ』って当たり前のように言ってましたね。ハッタリなんか じゃないって分かっていましたけど」
苦笑の中に、はかりしれない賞賛の念がこもる。
早稲田大に進学を決め、今後は花井と神宮でのライバルとなる阿部と栄口も、 「あいつだけは別格だった」と口を揃える。
開幕まで一週間を切った。オープン戦の打率は.465。開幕スタメンは確実だ。
「最後の一ピースですよ。彼がいて初めて本当の史上最強打線になる」と 原監督が称した田島の打撃センスが、巨人に七年ぶりのV奪回をもたらすか。
おおきく振りかぶって◎ひぐちアサ その15
http://comic6.2ch.net/test/read.cgi/comic/1104856495/286 より
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